退職の手続きは流れを知りたい!円満退職のタイミングと手続き方法
退職の決意が決まったら円満退職に向けて計画を立てることが重要です。
伝え方やタイミングを間違えると会社に迷惑がかかり、次の転職先への評判を落としかねません。さらに退職した後に必要な書類を用立てて欲しい時、会社と気まずくならないように上手にコミュニケーションを取って退職したいものです。
退職を告げると総務課や経理課で必要な手続きが行われます。他の部署に所属していると知らないことも多く流れを知っておくと未然にトラブルを防いで、退職後の連絡もスムーズになります。
退職を会社に申し出るタイミング
- 直属の上司に告げること。
- 決意が固まってから告げないと引き留められる可能性があります。
- 退職理由を個人的な理由にすること。
退職の理由は「建前」と「本音」の2つ以上あるのが一般的ですが、「公」と「私」を混同せずに前向きな理由で退職することが理想的です。
理想的な退職理由
退職の理由は会社の機密情報のひとつなので、他の社員に明かす必要はありませんが長い時間を一緒に過ごした同僚は「あなたの退職理由」を知りたがるのは仕方ないことです。
あなたが退職した後も会社に残って仕事を続けている同僚が頑張れるように、前向きな理由を準備しておくことはエチケットです。
退職する日は上司と相談して決めるのが一般的ですが、人によっては仕事に支障が出ないよう、勤務年数が長い社員が退職を申し出る時は1年前に申し出て引継ぎをする人もいます。
勤務年数が10年以内の社員は6か月前を目安にしている人が多いようです。5年以内の社員は3か月前、3年以内の社員は1ヶ月前でもわりと簡単に受理されます。
退職を告げた時に必ずやっておきたいこと
退職することを直属の上司に告げて受理されたはずなのに、他の社員に伝わらないことがあります。会社や同僚に迷惑をかけないよう早めに行動したのに「困ったな…」という声をよく聞きます。
- 誰が社員や取引先に告げるのか
- あなたの仕事を誰が引き継ぐのか
退職を告げた段階で上記の2点は上司が話すのか、自分で打ち明けるのかを必ず打ち合わせしておくことをおすすめします。
先に退職する社員がいる場合、どのように手続きしているのか聞いておくと社風に添った流れで円満に退職できます。
退職するまでの財務整理
退職する日が決まると上司から仕事の引き継ぎ計画を立てるよう指示され、主にパソコンでチェックリストを作成し上司と引継ぎ者に提出します。
業務の目的や手順を改めて作成していると、自分なりに工夫してきたことを実感することでしょう。この作業は転職する時に、職務経歴書でアピールできる実績があるはずです。
あなたの価値観や目標にしてきたことを転職する時の面接で上手に伝えられると好印象につながります。
辞表を書くタイミング
ドラマでは勢いよく胸ポケットから辞表を叩きつける場面をみることがありますが、実生活でそのような場面に出くわすことはほとんどありません。
退職することが会社に受理されると、辞表を書いて来るように指示されます。
社員が多い会社は辞表のフォーマットがあり、名前と捺印するだけの場合もありますが、前に退職した人を参考に自筆で書いています。
退職するまで手続きに必要な書類に捺印を求められることが多くなるので、給料が支払われている通帳の印鑑を貴重品として携帯しておくと、退職した後に各種切り替え手続きする時に1つの印鑑で済みます。
退職最終日に準備するもの
退職する最終日は挨拶で1日が過ぎていきます。引継ぎはすでに終了している場合がほとんどなので、デスクの引き出しをきれいにして、ロッカーの掃除や私物整理をしましょう。
お世話になった同僚にお菓子を配って「ありがとう」の気持ちを伝えることをおすすめします。
人と人との出会いは一期一会です。「公」と「私」を区別して、去る時もスマートに終わらせたいものです。
退職する時に返却するもの
入社した時に会社から渡された物を覚えていますか?
会社が貸し出した物を私物のように使用していると、返却する時は寂しさを感じます。
退職手続きをする担当者はチェックリストを作って漏れないように工夫している人もいます。
- ロッカーの鍵
- デスクの引き出しの鍵
- 社員証
- 社会保険
- 制服・作業着(返却しなくてもよい場合もあるので確認しましょう)
- マイカー通勤の場合駐車場の証明書
- 仕事で利用した道具類(携帯電話など)
- 取引先の資料や社員の個人情報の資料
- 会社の鍵
退職した後に返却するもの
制服は自費でクリーニングをして返却するように指示される場合があります。会社を円満退職しても何となく来社しにくく感じる人が多いようです。
制服を返却する時に、改めてお菓子を差し入れにすると会話も弾みます。
お小遣いから人数分のお菓子はほんの気持ちとして必要経費に入れましょう。
制服を届けに来社した時、仕事のアドバイスを求められることがあります。この時すでにパソコンのアドレスやパスワードが削除されているので「部外者になった」と寂しく感じます。
自分が気づかないところでいろいろな部署で退職の流れが滞りなく行われているのです。
社会保険(健康保険)について
退職すると社会保険を会社に返却します。転職先が決まっていない場合は退職した時に渡された書類を持って役場に行き、国民健康保険に切り替えをしておきましょう。
社会保険から国民健康保険に切り替え方
退職手続きする担当者は健康保険の返却を伝える時に「病院に通っていませんか?」と質問することが通例になっています。健康保険を持たない状態は基本的によくないので、退職最終日に返却することが多いようです。
担当者の手続きの流れで、早めに返却を求められることがあります。通院している人や扶養者がいる場合は健康保険証の返却を退職最終日に合わせてもらえるよう伝えましょう。
医療機関を受診する場合
退職後に管轄の役所で「会社を退職したので国民健康保険の手続きに来ました」と申し出るとその場で保険証が発行されます。
保険証がないと病院の診療請求額が自費扱いになります。申請すれば後から戻ってきますが保険証を作っておくことをおすすめします。
雇用保険資格喪失の手続き
退職した翌日から失業者となります。
離職票が自宅に届くことを事前に伝えていますが、翌日には電話をかけてくる人が多いようです。
退職手続きを行う担当者に「遅い」と言って困らせる人もいます。
流れを知っておくと、退職した後で会社とトラブルを未然に防ぐことができます。
離職票が必要な人と必要でない人
退職日前に離職票を希望するかしないかを確認します。
雇用保険を受給する予定がある人は離職票を希望しましょう。
退職後の進路によって離職票が必要ない人もいます。
転職先が決まっていると、離職票を出すことを渋る担当者もいるようです。離職票の手続き期間が決まっているので慣れない人や、面倒に感じる人は「必要な時に出すので連絡をください」と言う人もいます。
すぐに雇用保険を受給しない場合でも、勤務先の雇用保険を合算して受給できます。後になって離職票が欲しいと伝えると近況報告するなど面倒に感じるので、退職する時に希望することをおすすめします。
離職票が必要な場合の書類(担当する人が準備)
- 労働者名簿
- 賃金台帳
- タイムカード(出退勤が確認できるもの)
- 退職理由が確認できる書類
退職する社員は自筆によるサインと印鑑が必要です。
59歳以上の社員が退職する場合は本人が希望しなくても離職票を発行する規則になっています。
長年勤めた会社を退職する場合は雇用保険の受給額も大きいので大切に保管しておきましょう。
提出期限は退職日の翌々日から10日以内に管轄の年金事務所にあなたの退職届を提出する規則になっています。
土日や祝日にまたがっている場合、担当者に離職票が届かないと苦情を言いたくなりますが、きちんと手続きされていると信じて1週間ほど待ってみましょう。
退職する時に会社からわたされるもの
退職後の進路によって渡すものが異なりますが、必要な書類が届かなくて困ったことが起きないように流れを知っておくとトラブルを未然に防ぐことができます。
- 離職票1・2
- 雇用保険被保険者証
- 給与所得の源泉徴収票
- 健康保険被保険者資格喪失確認通知書
- 退職証明書
年金手帳は手元にありますか?会社に入社した時に提出してあなたの手元で保管してあるか確認しておきましょう。