年収300万円の生活の実態は?どれくらい余裕がある?
年収300万円というのは多くの方にとって、最も耳馴染みのあるものの一つなのではないでしょうか。
月収は25万円となり、第二新卒など早期転職者を募集する企業ではこの年収を条件に掲げている場合が多い印象を受けます。
まあ実際に国税庁の「民間給与実態統計調査」によると、年収300万円台の割合は16.3%と最も多く、この年収で生活をしている方も多いことでしょう。
しかし、割合が多いからといって生活が豊かなのか?というとそうとも言い切れないところはあるのではないでしょうか。
そこで年収300万円ではどのような暮らしができるのか、ということを徹底調査。
具体的な数値を元にその結果をご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。
年収300万円の手取りは?
まず年収300万円の手取りについてご紹介します。
結論から申し上げると、年収300万円の手取りは月で20万円ほどとなります。
年間で差し引かれる額はおよそ60万円。その内訳は以下です。
- 社会保険料:42万円
- 所得税:5.6万円
- 住民税:11.7万円
もし個人事業主であれば別途国民年金や国民健康保険などがかかってくるので、経費次第ではありますが、もう少し手取りが減ってしまうことが考えられるでしょう。
年収300万円の貯蓄額は?
次に年収300万円の貯蓄額についてご説明します。
年収300万円の平均貯蓄額は650万程度となっています。
月ごとには2〜3万円ほどの貯金ができ、またボーナスはほとんど貯金に回すという形で貯金を行っている方が多いようです。
年収300万円の割合は?
次に年収300万円の収入を得ている方の割合をご紹介します。
再び「民間給与実態統計調査」によると、年収300万円の割合は全体で25%。
男性では27.9%で女性では22.6%となっています。
また年代別で見てみると、20代では38.4%、30代では28.4%、40代では19.0%、50代では14.6%と20代が最も多いです。
全体で25%というのは特筆すべき数字でしょう。
労働者のうち、4人に1人が年収300万円の収入を得ているということがわかります。
これは年収別に見て最も大きな割合を占めているのです。
年収300万円の生活の実態は?
それでは年収300万ではどのような暮らしが送れるのか?ということについて解説いたします。
まず、家賃など生活費に関しては以下を例とします。
食費:30000円
光熱費・水道費:6000円
保険医療費:5000円
交通・通信費:10000円
交際費:20000円
そのほか支出:15000円
これらを合計すると、およそ145000円となります。
そして上記ご説明したようにひと月の手取りは20万円でした。
よって、自由に使用できる金額は55000円であることがわかります。
上記は養育費を含んでおらず独身世代の例となりますが、年収300万円でも十分に暮らしが送れることがお分かりいただけるのではないでしょうか。
もちろん大きく贅沢することは難しいと思いますが、ある程度の暮らしを送ることは可能でしょう。
しかし、もし扶養する家族がいる場合は年収300万円だけでは厳しいですね。
上記の生活費に養育費が含まれるため、もし年収300万円で結婚を考えるのであれば年収をアップするために転職するか、共働きを行うことを考えたほうが良いと思います。
平均年収300万円台の職業は?
それでは平均年収が300万円台の職業としてはどのようなものがあるのでしょうか?
2017年に厚生労働省が発表した「賃金構造基本統計調査」を元に早速調べてまいりましたので、以下にご紹介します。
- ワープロオペレーター:339.7万円
- 製材工:333.7万円
- タクシー運転者:332.0万円
- 家具工:325.0万円
- ホームヘルパー:313.0万円
- 個人教師、塾・予備校講師:361.9万円
- 家庭用品外交販売員:360.8万円
- プリント配線工:358.1万円
- 紙器工:342.0万円
- 幼稚園教諭:341.7万円
- 守衛:325.4万円
- 通信機器組み立て工:323.3万円
- 自家用乗用自動車運転者:323.4万円
- 娯楽接客員:322.4万円
- パン・洋生菓子製造工:319.1万円
そのほか多数・・・
調べてみたところ平均年収300万円台の職業は上記ご紹介したものを含め、計39職種でした。
この調査では129の職種を対象にしているので、約4分の1の職業が年収300万円台なのです。
上記でご説明した年収300万円の割合とほぼ一致しているという結果となりました。
まとめ
以上年収300万円の生活の実態に関してご説明しました。
一人暮らしであれば十分に暮らしを送ることは可能ですが、扶養する家族がいる場合はやや厳しいと言えます。
また一人暮らしの場合でも大きな贅沢をすることはできず、ところどころで節約を意識するのは必須と言えますね。